|
＜風前の灯＞「電動ミシン」の居場所はもうないのか。
縫製の専門家が使用する「職業用ミシン」「工業用ミシン」は、スタート・ストップ、スピード調節においてフット（コントローラー）を使用するのが常識です。
彼らにとって縫い目の一針一針は命であり、ステッチの歪みは自らの満足度からも他者からの厳しい眼からも許されないものであります。
その為に、縫製時における彼らの＜眼＞と＜手＞は常にミシンの針落ちに集中していなければはなりません。
「家庭用電子ミシン・コンピューターミシン」における＜指＞で行う＜スタート・ストップ、スピード調節＞機能は、彼らにとって受け入れ難い機能です。
例えば、ブラウスの襟にステッチをかける際に＜指＞を生地以外への対応に使用することは、彼らにとって考えるだに恐怖でしょう。
この機能を容認できる縫製者は、真の＜美しい仕上がり＞を知らない、求めていないと謂われても仕方がないはずです。
ならば、「家庭用電子ミシン・コンピューターミシン」における＜指でのスタート・ストップ、スピード調節＞の存在には如何なる意味があるのでしょうか。
その答えは、たった一つです。
＜ミシンの使用が容易である＞という＜錯覚＞を初心者に与える目的です。
“簡単に縫い始め、スピード調節も容易。”“炬燵の上でも楽々。”といったキャッチフレーズで喧伝されるそれは、縫製の本質に向かう方向を微塵も示していません。
この機能は、＜美しい仕上げ＞を望むには＜デメリット※＞でしかありません。
（※自動車のアクセルとブレーキがハンドルと共に手元操作になっていると考えてみてください。ことは事故に繋がる状況です。縫製においても同様ですね。）
故に、代償として現行「電子ミシン」、「コンピューターミシン」の殆どは＜フットコントローラー兼用＞となっているのです。
ところが、縫製にとって本来の機能であるはずの＜フットコントローラー操作＞のみの「家庭用電動ミシン」モデルの存在は今や風前の灯となっています。
此処では、「家庭用電動ミシン」の無駄な延命を望んでいるわけではありません。
そうではなく、ミシンの機種選択において、
●「小型ミシン」は初心者の入門機としてのみあり、＜縫製＞に方向性がある場合には無理があるのは理解が出来る。
●
予算が「電子ミシン」、「コンピューターミシン」に届かない。それでも、＜縫製＞に対する希求がある。
方の為に、最も安価な＜縫製に向いている機種＞としての「電動ミシン」を検証し当店のお薦め機種としてセレクトすることです。
此処では、自動糸調節、自動糸切り、自動ボタンホール等々のアマチュアに向かった＜使い勝手の良さ＞は無視します。
「家庭用ミシン」において、
○ 厚地、薄地縫いの性能を落とさず、
○ 如何に安価であるかが今回のテーマとなります。 |
